イスラム組織ハマスの最高指導者が殺害されたことをうけ、ハマスの後ろ盾であるイランがイスラエルへの報復を明言するなど、中東情勢は一層緊迫化しています。

イランの最高指導者ハメネイ師は先月31日、声明でハマスの最高指導者ハニヤ氏が訪問先のイランで殺害されたことについて「悲惨で悲劇的なことだ」とし、「復讐することが私たちの義務である」とイスラエルへの報復攻撃を明言しました。

イスラエル側はこれまでハニヤ氏殺害については言及していませんが、テレビ演説したネタニヤフ首相は「これから数日間、困難な日々が待ち受けている」としたうえで、「いかなるシナリオにも備えており、いかなる脅威に対しても断固として立ち向かう」と徹底抗戦の姿勢を示しました。

こうした中、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラは、イスラエルが先月30日に首都ベイルートで行った攻撃で司令官が死亡したと発表しました。

ヒズボラの指導者ナスララ師は、1日に行われる司令官の葬儀で演説する予定で、イスラエルに対する反撃などについてどのような発言をするのか注目されます。

カービー大統領補佐官
「事態の拡大が差し迫っている兆候はないが、注意深く見守っている」

アメリカ政府のカービー大統領補佐官は、ハニヤ氏が殺害されたとの情報について「確認できない」としながらも、「リスクは確実にあがっている」と話し、事態を注視していく姿勢を示しました。

また、今回の事態がパレスチナ自治区ガザをめぐるイスラエルとハマスの交渉にどのような影響を与えるかについて「判断するのは時期尚早だ」と答えています。