(ブルームバーグ):金正恩朝鮮労働党総書記の娘で10代前半とされるジュエ氏が、次の北朝鮮指導者となるべき教育を受けていると、韓国の国家情報院(国情院)が同国議員らに報告した。ジュエ氏が初めて公の場に登場したのは2年足らず前でしかないが、地位は大きく上昇している。
北朝鮮国営メディアが「尊敬するお嬢様」「愛するお子様」と紹介するジュエ氏は金一族の後継者候補だと、国情院が29日に開いた非公表の会合で説明を受けた複数の議員が明らかにした。金一族は北朝鮮が1940年代後半に建国されて以降、支配を続けている。
「ジュエ氏は父の後を継ぐための教育を受けており、北朝鮮は現時点で後継者候補であると示唆している」と、韓国与党「国民の力」に所属する李成権(イ・ソングォン)議員は指摘。「ジュエ氏に対する市民の反応を考慮に入れ、プロパガンダの水準や公の場への登場回数を調節している」と述べた。
国情院はジュエ氏の年齢を11歳前後、金氏が夫人の李雪主氏との間にもうけた3人の子供の2番目だとみている。ジュエ氏は2022年11月に核弾頭搭載可能なミサイルの発射実験に出席した姿が初めて国営メディアに報じられ、23年2月には父や母と共に軍最高幹部との夕食会に加わり、写真の中央に収まった。
北朝鮮指導者の子供がこれほど早くからこのような形で公の場に登場したことはなく、国家機関の一員となるまでは人目に触れないようにしておくという同国の慣例をジュエ氏は破ったことになる。
金氏がジュエ氏を後継者に決定したのかどうかについては、まだ疑問が残る。国営メディアでジュエ氏の名前はまだ正式に紹介されておらず、金氏は40歳と比較的若いため、数十年にわたって権力の座にとどまり続ける可能性もある。
ただ、金氏は極度の肥満でヘビースモーカーでもあり、健康問題を抱えている。体重約140キロに上るとみられる金氏の健康状態について、国情院は注意深く監視していると、李議員は語った。
原題:Kim’s ‘Respected Daughter’ Training for Succession, Seoul Says(抜粋)
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