(ブルームバーグ):29日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=154円台前半に上昇して推移。前週末の米株高やこの日の日本株の上昇で投資家心理が改善し、円売りが先行した後、金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定にかけて円買いに転じた。日米の金融政策決定を週半ばに控え、市場では結果を見極めたいとして手控え感が強まりやすい。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、円相場の動きについて「仲値にかけてまとまった円買い・ドル売りが出たようだ」と説明。この日はスポット取引の決済が月末に当たり、仲値に向けたドル上昇への思惑から短期的にドルロング(買い持ち)に傾いたポジションが巻き戻されたと指摘。「足元で154円台前半まで円が売られたのはやや行き過ぎだった」と語った。

今週は31日に日銀、日本時間8月1日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策を発表する予定。市場は日銀が長期国債買い入れの減額方針の決定とともに追加利上げを実施することを警戒している。
金利スワップ市場では15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを4割程度織り込んでいる。FOMCでは9月会合での利下げに向けたヒントを出すか否かが注目されており、金利スワップ市場は9月利下げを完全に織り込んでいる。
日米の政策決定を前に模様眺めムードが強まりやすい中、大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、「日銀がどのような決断をしてもある程度円の値幅が出る可能性が高く、ここで新たなポジションを構築するのは難しい」と語った。
--取材協力:船曳三郎.
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