(ブルームバーグ):29日の債券相場は上昇。米国で個人消費支出(PCE)コア価格指数を受けて9月の利下げ観測が高まり、長期金利が低下した流れを引き継いだ。日本銀行が幅広い年限を対象に国債買い入れオペを実施し、需給が引き締まるとの期待も相場を押し上げている。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、米金利低下と国債買い入れオペでしっかりとした展開と指摘。「あすからの日銀金融政策決定会合の結果発表待ちで投資家の様子見姿勢は強く、基本的には前週からのレンジ内でもみ合うだろう」と話していた。
日銀は午前10時10分の金融調節で定例の国債買い入れオペの実施を通知。買い入れ額は全ての年限で据え置いた。
日銀が30、31日に開く決定会合では、国債買い入れの減額計画と同時に追加利上げを決めるかが最大の焦点だ。事情に詳しい複数の関係者によると、一部の日銀当局者は、個人消費の回復を今後のデータや情報などで確認したいとし、今会合では利上げ見送りが妥当と考えている。一方で、足元のインフレ動向が日銀のシナリオに沿っていることから、利上げに前向きな当局者もいるという。
日銀は今週利上げ適切か慎重に判断へ、物価は目標軌道も消費に弱さ
BNPパリバ証券の井川雄亮マーケットストラテジストは「今回は国債の買い入れ減額を実施するため見送るが、いつでも利上げができる地合いが整いつつあるといったトーンを打ち出せば、9月利上げの織り込みは進む」とみている。

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