18日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=156円台半ばまで下落。1カ月ぶりの円高水準を受けて、国内輸入企業など実需のドル買いが強まっている。朝方は日本銀行に利上げを求めた河野太郎デジタル相のインタビュー記事をきっかけとした、円売りポジションの巻き戻しから一時155円台前半まで上げ幅を拡大していた。

  スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は円が1カ月ぶり高値を付けたことから、「これまでドルを買えていなかった国内企業のドル買い意欲が強い」と説明。相場の変動率(ボラティリティー)が高まっていることから、1ドル=156円台後半まで円が売り戻される可能性があると述べた。

  その上でドル・円相場のチャートでは年初からの上昇トレンドラインを下回った水準で推移しており、ドル高・円安進行の抵抗として意識されるだろうと語った。同トレンドラインは157円台後半に位置している。

  

  大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、河野デジタル相発言やウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事の発言、トランプ前大統領の円安懸念といった材料から、円安修正とドル高修正の力が働いているとし、「円安の潮目は変わった可能性がある」と指摘。対他通貨でも円安の修正が続いていることから、円買いの流れが続きやすいとみる。

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