17日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=158円台半ばに小幅下落。米国の利下げ期待を背景に日本株が堅調で、リスク選好の流れから低金利の円を売ってドルを買うキャリー取引の需要が根強い。一方、政府・日本銀行が先週2日連続で円買い介入を実施していた可能性が高まる中、介入警戒感は円を下支えしている。

  大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「しつこく介入が実施されているようなので、再び160円に向けて円を売っていくのは難しいが、日米の株価が堅調でリスクオン的な力も働いており、一気に円高が進む感じでもない」と述べた。

  

  16日の米国市場では、6月の米小売売上高が予想を上回ったが、9月の利下げを完全に織り込んだ状態は変わらず。米長期金利の低下に合わせて円は158円台後半から158円台前半に買い戻された。米国株は続伸し、17日の日本株市場もその流れを引き継ぎ上昇している。

  大和証の石月氏は、トランプ氏の大統領再選を見込んだ「トランプトレード」でインフレ再燃・長期金利上昇が予想されていたものの、「債券市場も少し冷静に捉え始めたのではないか」とみる。一方、株式市場ではトランプ氏再選に対する期待感が強く、「市場間で温度差がある」と話した。

  先週の介入観測を受け、159円に接近すると円が下支えされる展開が続いている。日銀が公表した日銀当座預金増減要因から推計した円買い介入は、11日が3兆5000億円規模。12日は2兆1000億円規模と、円の振れ幅が比較的小さかった割に金額が大きく、1日に複数回の介入が実施された可能性があるとの見方が市場の疑心暗鬼を強めそうだ。

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