中国人民銀行(中央銀行)は8日、市場金利のコントロールを強化するため、追加の公開市場操作(オペ)を行うと発表した。短期金利の変動幅引き締めを図る。

  声明によれば、人民銀は従来からある午前のオペに加え、必要に応じて午後にもレポないしリバースレポを実施する。7日物レポ金利が新たなベンチマークになるという市場の見方を強める動きだ。

  臨時オペは必要に応じて現地時間の平日午後4時から4時20分の間に行われる。翌日物が対象で、金利は7日物リバースレポ金利をそれぞれ20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回る水準と50bp上回る水準に設定される。

  人民銀は「銀行システム内で合理的かつ十分な流動性を確保し、オペの精度と有効性を向上させる」ことが目的だと説明した。オペの開始時期やその頻度には触れていない。

  

  スタンダードチャータードの中国マクロ戦略責任者、劉潔氏はこれにより、中国の金利コリドー(市場金利の許容変動幅)は以前の約230bpから70bpに事実上縮小すると述べ、「銀行間金利のボラティリティー低下につながる」と指摘。

  劉氏によると、7日物リバースレポ金利はボラティリティーが低下することで「預金金利やローン金利など、ほとんどの資産・負債のプライシングにおけるベンチマーク参照金利として、より広く利用される」見通しだ。

  中国では逃避資産への需要急増を背景に、国債相場が大幅に上昇しており、人民銀は中長期債を売却することでその熱気を冷ます準備を進めている。

  パンテオン・マクロエコノミクスの中国担当チーフエコノミスト、ダンカン・リグレー氏は臨時レポについて、「短期金利に対する人民銀のコントロールを強化し、流動性の変動を管理する柔軟性を高める」と指摘。「債券売却によって短期流動性が過度に引き締まった場合でも、人民銀はそれを管理し流動性逼迫(ひっぱく)を防ぐ新たなツールを手に入れた」と述べた。

原題:PBOC Takes Greater Control Over Short-Term Borrowing Costs (1)(抜粋)

--取材協力:Felix Tam、Cormac Mullen.

(詳細や市場関係者の見方を追加して更新します)

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