(ブルームバーグ): 8日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=160円台半ばに小幅上昇。米国で雇用統計を受けて利下げ期待が高まり、ドルが売られた流れを引き継いでいる。朝方発表された毎月勤労統計が予想を上回ったことは日本銀行の追加利上げを後押しし、円の支えになっている。
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、米雇用統計を受けてドルは上値が重く、先週後半から「円安よりもドル安の方が優勢になり始めている」と述べた。一方、毎月勤労統計については、共通事業所ベースの所定内給与が予想を大きく上回り、「日銀が利上げする環境が着実に整いつつある」との見方を示した。
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早朝の為替市場では、フランス下院選挙で左派連合が予想外に勝利したことがユーロ売りを促したが、その後は対ドルや対円で下げ幅を縮小している。第1党が左派になっても右派になっても「警戒される財政拡大路線は変わらず反応しづらい」と、りそなHDの井口氏は指摘した。
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日銀の金融政策に絡むイベントについては、この日に日銀支店長会議や地域経済報告(さくらリポート)の公表が予定されている上、9-10日の債券市場参加者会合が注目されている。りそなHDの井口氏は、「7月の利上げ観測もさることながら、国債買い入れ減額がどういった規模感とペースになるのか参加者会合がフォーカスされる」と述べた。
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