4日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=161円台後半と前日夕から横ばい圏で推移。米国で雇用や景況感などの経済指標が予想を下回り、年内の利下げ観測が強まったが、円売り基調は変わらず。約38年ぶり安値圏での推移が続き、政府・日本銀行による円買い介入への警戒感もくすぶったままとなっている。

   大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、米金利低下によるドル安圧力と円安基調がせめぎ合っているとした上で、4日は米金融市場が祝日で休場となるため「市場参加者減少で円売りを仕掛ける動きもないとみられ、162円には行きづらいだろう」と予想。ただ、円売りの行き過ぎ感が警戒されるタイミングに入っており、「いつ円高に動き出すかには注意が必要だ」と語った。

  

  米国では3日発表のADP雇用統計や新規失業保険申請件数、供給管理協会(ISM)非製造業景況指数が軒並み予想を下回った。年内利下げ観測の高まりから米国債利回りは低下。円相場は約38年ぶり安値付近から一時160円台後半まで反発したが、米金利の下げ一巡後は上げ幅を縮小し「行って来い」となった。米株・債券市場は4日の独立記念日の祝日を前に短縮取引だった。

  米金利低下を好感して株式相場が堅調に推移する中、投資家心理の改善を背景に円は主要10通貨に対して全面安となり、対ユーロで174円台半ばと99年のユーロ導入以来の最安値を更新。対ポンドでは08年8月以来の206円台前半に下落し、対スイスフランでは変動相場制移行後の最安値、対オーストラリアドルでは91年5月以来の安値を付けた。

  石月氏は、対ドルでは円安が正当化できるか難しくなっているとする一方、クロス円は「リスク環境が良好であることや米ドル安にもなっていることから、円安方向に動くのは自然なこと」と語った。

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