中古車販売大手「ビッグモーター」が、下請け事業者に草むしりを無償で行わせるなどしていたことは、下請法違反にあたるとして、公正取引委員会が再発防止を求めました。

公正取引委員会 菅野善文上席下請取引検査官
「全社的な法令遵守意識の欠如がもたらした重大かつ異例の下請法違反事件である」

下請法に違反したとして再発防止を求める勧告を受けたのは、「ビッグモーター」と、その子会社「ビーエムハナテン」です。

公正取引委員会によりますと、ビッグモーターは、遅くとも2021年から下請け事業者に無償で草むしりや店舗の清掃をさせたり、取引金額の引き下げを強要したりしていたということです。

またビッグモーターは、下請け事業者との取り引き記録を保存していないなど、ずさんな管理体制だったということで、公正取引委員会は「過去に経験したことがないほどに調査が困難だった」としています。

さらに社内では、成績不良の社員の降格も頻繁に行われていた一方で、人事異動の書類も保存されていなかったということです。

会社の体質について公正取引委員会は、自社の利益を最優先するあまり「法令遵守の意識が欠損していた」と指摘しています。

勧告内容には、▽第三者による下請け事業者からの情報を集める窓口の設置や、▽下請け業者へ不利益分を支払うことなどが盛り込まれました。

勧告を受け、ビッグモーターは「コンプライアンス遵守を最優先に、信頼回復に向けて全社を挙げて尽力する」とコメントしています。