ウクライナの隣にある旧ソ連構成国のモルドバで、国内の親ロシア派が相次いでロシアに「保護」を求める動きをみせ、緊張が高まっています。

モルドバのサンドゥ大統領は7日、フランスでマクロン大統領と会談、両国の防衛協力に関する協定を締結しました。

サンドゥ氏は「ロシアがモルドバの民主主義を弱体化させようとしている」と指摘し、欧米への接近を図ることでロシアの脅威に対抗していく姿勢を改めて示しています。

これに先立ち、モルドバでは東部を実効支配する親ロシア派勢力「沿ドニエストル共和国」の議会が先月28日、「モルドバ政府から圧力を受けている」として、ロシアに「保護」を要請する動きが出ています。

「沿ドニエストル共和国」は1990年にモルドバからの独立を一方的に宣言した地域で、20万人以上のロシア系住民が暮らし、ロシア軍も駐留しています。

また、ロシアメディアによりますと、親ロシアを掲げるモルドバ南部「ガガウズ自治共和国」のグツル首長も6日、ロシア南部のソチでプーチン大統領と会談、モルドバからの圧力を理由に支援を求めました。

こうした動向について、アメリカのシンクタンク戦争研究所は、EU=ヨーロッパ連合への加盟を目指すモルドバを揺さぶるための“ハイブリッド作戦”として、「ロシアが2つの地域を利用しようとしている」と指摘しています。