仲間の思いをのせて~これまでとはまったく違う選手宣誓を
従来の選手宣誓は「われわれ選手一同は」のおなじみのフレーズから始まるのがほとんどだった。「どうせやるなら、これまでのかたちを大きく変えよう」と考えた。真っ先に浮かんだのはここまで苦楽をともにした仲間のことだった。
杉村さん
「けがをして入れないメンバーが1人いて。彼とはすごく仲がよくて、ものすごい練習してたのも知っているので、まず彼の、一緒に頑張った仲間のために何かできることがないかなという発想がありました。プラスアルファで、私たちは甲子園にたまたま出られましたけど、当然県大会で負けてしまった学校がいて、みんなの思いをもって自分たちはこの場に立たせてもらっているので、そういうところをうまく言葉にして全国に伝えられたらなという思いで作りました」
寝る間も惜しんで練習したという。
杉村さん
「消灯時間を過ぎてから部屋でぶつぶつぶつぶつ、たぶん140〜150回はやったんですよね。だから決まってから本番終わるまではちょっと野球どころではなくなりましたけど」
迎えた本番、杉村さんの選手宣誓は甲子園の歴史に刻まれる。

杉村さん・選手宣誓
「宣誓。野球を愛する私たちは、あこがれの甲子園球場から、全国の仲間にメッセージを送ります。ファイト・フェアプレイ・フレンドシップの頭文字「F」のマークをあしらった高校野球連盟の旗のもと、私たち選手一同は、苦しい時はチームメイトで励ましあい、辛い時はスタンドで応援してくれている友人を思い出し、さらに全国の高校生へと友情の輪を広げるため、ここ甲子園の舞台で一投一打に青春の感激をかみしめながら、さわやかにプレイすることを誓います」