夢への第一歩、シェアキッチンでカレー店

前田さんの呼びかけに応え、今年9月にテークアウトのカレー店「高森Mooカレー」を開業したのが岩国市周東町の国信政美さん(54)です。国信さんは、キッチンカーを出す夢をかなえるための準備を進めています。仕込みの場所を探しているときに、前田さんの呼びかけでシェアキッチンの取り組みを知りました。
国信さん
「一緒にお店をやりませんか、というS&1さんの投稿を見て、声をかけさせてもらいました。保健所の許可を取れる状態にするのにかなりコストもかかるし、私1人ではきついかなと思って。営業されているお店を借りられるのは、ありがたいなと思いました」
平日は仕事をしながら、日曜日だけ店を出すことにしました。地元の米や野菜、高森牛を使い、スパイスもこだわりのものを取り寄せて提供しています。

販売のノウハウを身に付けることができ、同じ志を持つ者が一緒に頑張れるのもシェアキッチンの心強さだと感じています。
国信さん
「1人でこれまで考えてたことを口に出していろいろ話し合えることが、一歩踏み出す勇気に大きくつながっていると思いますね」
イベント出店でPR、仲間とのつながりも
この日は、岩国市周東町の丸太村で開かれた朝市に参加しました。前田さんがお客さんに商品について説明します。
前田さん
「これが照り焼きチキンです。これは卵ちょっとからしが入ったもの」
イベントへの出店は店のPRにもつながります。
前田さん
「玖珂の駅前でお店をやってるんです」
クーポン付きのチラシを渡しながら場所や商品についてていねいに説明します。
前田さん
「ほかにもいろんな種類があるんですよ。またお店のほうにも遊びに来てください」
持ってきた商品は瞬く間に完売。地元の新しい仲間とのつながりもできました。
シェアキッチンに新たな出店者
シェアキッチンに、新たに開業したいという人も現れました。西村香さん(41)です。

前田さん
「どんなのをしようとかって…」
西村さん
「一応こないだラインさせてもらったように、1時ぐらいまでお弁当を…」
西村さんは、コーヒー専門店で働きながらの兼業で、週1日、本業が休みの水曜にカフェを出す予定です。玖珂町出身で長い間、県外に出ていましたが、6年前にふるさとに戻り、駅前の変化に驚いたと話します。
西村さん
「以前はもっといろんな方が行き来して、お店もいっぱいありましたが、お祭りでもあまり人がいないなっていう印象だったので」