■消防のレスキューも現場に向かうことができず…


こうした状況の中、25日の午後11時52分頃と26日の午前0時1分頃の2回、新庄警察署は消防に警察官のレスキューを要請していた。しかし、消防はほかの現場に出動しているためすぐに駆け付けることはできないことがわかった。



自然に阻まれようとも、仲間の警察官たちは、なんとか2人のもとにたどり着こうと活動を続けていた。

そして、徒歩で土砂崩れを乗り越えた署員がついに現場付近に到達する。

しかし、あたりは暗く、雨が視界を遮る。

2人はどこにいるのか…。署員は佐藤警部の携帯電話に電話を掛け、つながった…。

■「交通規制を…」目の前に広がる自然の脅威

署員が佐藤警部に電話したのは26日午前0時10分頃。

会話の中で佐藤警部は、パトカーが流されながらも「現場付近の交通規制」を仲間に求めていた。

そしてライトを振って、自分たちの位置を知らせようとしていたという。

その光は確かに署員にも届いていた。街灯のない水田地帯。大雨の中、振られているライトの光は署員の目で確認できた。

しかし、署員とパトカーの間には、氾濫した川からあふれた水が濁流となって流れていた。

署員は電話で励ましたという。