当時19歳の男子大学生の命が奪われた“ひき逃げ事件”の裁判が19日、富山地方裁判所で始まりました。罪に問われた70歳の被告は「人とは思わなかった」と起訴内容を一部否認。さらに、初公判では事件直前の大学生や事件後の被告の行動が明らかになりました。

横井徹哉被告(70)
「当時は前をきちんと見ていた。直前になってマネキン人形のようなものを発見し、そのままひいてしまった」
過失運転致死やひき逃げの罪に問われているのは、富山県富山市砂子田のアルバイト店員・横井徹哉被告(70)です。
起訴状などによりますと、2023年8月の夜、横井被告は自宅そばの富山市婦中町響の杜を車を走行中に、横断歩道上に横たわっていた山田翔向さん(当時19)をひいて死亡させ、救護せず立ち去ったなどとされています。
翔向さんは当時、金沢市の大学に通う大学2年生で、夏休みのため富山市婦中町の実家に帰省していました。
19日の初公判で起訴内容について問われた横井被告は…

横井徹哉被告(70)
「当時は前をきちんと見ていたが、それでも発見できなかった。大きな衝撃もなく、人をひいたと思わず、そのまま配達に向かった」
検察側は、横井被告が現場付近を時速50キロで走行中、道路上にあお向けで横たわる翔向さんをおよそ12メートル先に認めたものの、回避せずに車の底でひいたと指摘。しかし、横井被告は「マネキン人形のようなものを発見し、そのままひいてしまった」と主張。
弁護側は事故の発生を警察に届け出なかった報告義務違反については認めたものの、“翔向さんの発見が困難だったこと”と、“人をひいた認識がないこと”から、過失運転致死と救護義務違反については無罪を主張しました。











