母子の共依存「引き裂くわけにはいかない」

最後に会ったのは4か月前、そのとき母親はソファーに寝ていましたが、それほど体の具合が悪そうには見えなかったそうです。

山崎容疑者が、母親が亡くなったという9月21日の前にも包括支援センターの人が訪問した時にも母親は元気だったといいます。

このような事態となったことについて、男性には後悔があるといいます。

近所の男性:「ちょっと発見が遅かったということで後悔はありますね。でもなかなか2人の方から信号がないんですよね。もしお母さんだけだったら違うと思うんです。(2人だと)頼れるんですよね。お母さんは息子さん、息子さんはお母さん、2人で解決しようとするから僕たちがなかなか入っていけない。引き裂くわけにはいかないっていうか…」

加齢で体が弱り気味だった80代の母親とリストラでうつになってしまった50代の息子。

今回の事件の背景に“8050(はちまる・ごうまる)問題”が見えてきます。80代の親が50代の子どもの生活を支えるために経済的にも精神的にも強い負担を請け負うという社会問題で、共に依存しあう傾向にあります。

子どもが自立した生活を送れず、80代の親の年金を頼りに生活しているケースも多く、困窮した生活を送っている方が少なくありません。

年金がなくなると生活できなくなるという理由で、親が亡くなった後も死亡届を出さずに年金を受け取り続けていたケースもこれまでにいくつもありました。