何度も行方不明になった父親を無事発見できた理由は

記者「お父さんちょっと…大丈夫かな」

「大丈夫ですか。ちょっと危ないなと思って。」

高岡市の88歳男性「ありがとう」

男性は高岡市に住んでいて、10年以上前から認知症です。

88歳男性の次女「認知症があります。すごく好きなんですね用水路が。“百姓さん”やから用水に馴染んだ生活をしてきたからか用水にすごく惹かれるというか意識が行くんですね。落ちたこともあって」「本人任せでただ帰ってくるのを待つだけ。距離感がなくなってどんどんどんどん遠くへ行くので。」

たびたび自宅を出ていく父親に家族がとった対策は、父親の位置情報が分かるGPSを持たせることでした。

88歳男性の次女「これをポシェットに入れて鈴がなるポシェットですので落としてもわかるようにしてポケットに入れます。国道と線路はすごく要注意なのでその行く寸前までに見つかって連れて帰ってきたとかそういう時はあってよかったと思います。自分だけじゃなくてその情報をもとに自分の知り合いとか身内にも伝えて一緒に探してもらうことも出来るのであいまいな情報でそれぞれが広い範囲を探すよりもどこら辺におるっていう情報がある方が安全によりつながりますからよかったです」

父親は何度も自宅を出て行方不明になりましたが、これまではGPSですぐに発見できたそうです。そう話していた矢先に…。

88歳男性の妻「どこ行くが。お父さんどこ行くがいね」

88歳男性の次女「こういう状態でそっと出てくんです」

88歳男性の妻「毎日だまって出て行くもんに。だまって出てく時とかトイレ入ってる間に。私毎日帰ってくるまで心配で心配で神経休まらんよ」

部屋にはこんな神頼みの置物も…。

88歳男性の次女「無事に帰る。カエルです。これに願かけてます」

父親がまたいつ自宅を出て、どこに行ってしまうのか…家族の不安は尽きません。

高齢者が年々増加する現在、認知症になる人もさらに増えていくことが予想されます。突然、家族が自宅から行方不明になる“消える高齢者”の現実は他人事ではありません。行方不明対策のGPS機器の小型化や費用など、各自治体がさらに対策を強化するほか、国の支援も必要ではないでしょうか。