5月9日、大阪府堺市の「堺平成病院」の職員食堂で食事をした職員ら72人(21~81歳)が下痢や腹痛などの症状を訴えた集団食中毒で、このうち18人からウエルシュ菌が検出されたことがわかりました。1月には、富山県射水市の民宿で提供されたカレーを食べた12人が腹痛などの症状を訴え、ウエルシュ菌が原因だったことがわかっています。

ウエルシュ菌とは何なのか、どうすればウエルシュ菌から身を守ることができるのか、専門家は「熱を加えても死なない」と注意を呼びかけています。


富山県衛生研究所 大石和徳所長:
「熱を加えても死なない菌なんですね。そこが盲点かもしれない。火を通せば大丈夫だというところがこの菌には通用しないところがある」

富山県衛生研究所の大石和徳所長は、細菌による食中毒など感染症に詳しい専門家です。ウエルシュ菌は100度で4時間熱しても死滅しない熱に強い菌だと言います。

富山県衛生研究所 大石和徳所長:
「(食中毒菌の1つ)カンピロバクターや腸管出血性大腸菌は熱を加えると死んでしまう菌です。しかし、ウエルシュ菌は熱にすごく耐性であって、あるタイミングで増えることで毒素が出てきてそれが病気を起こす“毒素性”の食中毒です」
食中毒には“毒素性”と“感染性”の2つがあるといいます。

富山県衛生研究所 大石和徳所長:
「食中毒には2つ種類があって、サルモネラ菌とかカンピロバクターは“感染性”の胃腸炎、つまり菌が増えることで炎症を起こします。普通は“好気性菌”と言って酸素を必要として増えます。ウエルシュ菌は“毒素性”で“嫌気性菌”という酸素を必要としない細菌で、組織の中に入って、ケガをしたときなんかも強い炎症を起こすこともあります」


どんな条件で増殖し、食中毒を引き起こすのでしょうか?