富山市の東猪谷(ひがしいのたに)地区で20年に一度行われてきた伝統行事「百万石行列」。今年20年ぶりの開催が期待されたものの中止となり、江戸時代から続く長い歴史に幕をとじました。背景にあるのは、過疎化による担い手不足。伝統の継承に向き合う住民たちを取材しました。

昭和37年、千両箱やまといを手にした男性たちがゆっくりと町を練り歩く「百万石行列」。富山市指定の無形民俗文化財です。

富山市東猪谷の素戔嗚社(すさのおしゃ)で行われるこの祭りは、伊勢の式年遷宮にならって20年に1度行われる神殿の建て替えにあわせて行われ、加賀藩の大名行列をまねてご神体を先導したのが始まりとされています。

百万石行列といえば…。

毎年6月に行われる金沢の百万石行列が有名です。こちらは大正時代に始まったのに対して、東猪谷の百万石行列は、江戸中期に始まったとされ、長い歴史のある伝統行事です。

ことしも20年ぶりに行われる予定でしたが…。

東猪谷遷宮祭実行委員会 中野秀会長:「人がいないということもあって、コロナということで拍車がかかった」