富山市八尾地域で300年以上続く「おわら風の盆」が今、存続の危機に直面しています。衣装や楽器の重い負担がのしかかる中、実は年間約6000万円にのぼる運営費の「8割」が、来場者のための安全対策費というジレンマを抱えています。過度な商業化を避けつつ伝統を守るため、運営委員会は、クラウドファンディングなどの新たな挑戦に乗り出しています。

毎年9月1日から3日間、富山市八尾地域で開催される「おわら風の盆」

300年以上続く伝統行事ですが、今、存続の危機に立たされています。

おわら風の盆 行事運営委員会 本多正男事務局長
「予算ギリギリのところで推移しているのが現状です」

「おわら風の盆」は、企業からの協賛金や富山市の補助金をもとに運営してきましたが、高齢化による担い手不足に加え、昨今の物価高も重くのしかかっています。

富山県民謡越中八尾おわら保存会 橘賢美副会長
「この法被がだいたい30万以上しますので。これ正絹、絹です」

踊り手がまとう法被は1着約30万円。10年に一度は買い替えが必要です。

胡弓や三味線の購入は自己負担で、日々のメンテナンスにも費用がかさみます。

しかし、運営を大きく圧迫しているのは、こうした衣装や楽器の費用ではありませんでした。

おわら風の盆 行事運営委員会 本多正男事務局長
「町内の、おわらをするために出しているお金というのは、330万円だけなんですよ。それ以外はすべて、お客様方の安心・安全・利便性を考えたお金の使い方をしております」