富山県内で23日までの1週間に、新たに報告されたインフルエンザの患者数は前の週から急増し、2800人を超えました。ピークの見通しと、国内外で確認されている新たな変異株の影響について専門家に聞きました。

県によりますと、県内48の定点医療機関で今月17日から23日までに報告されたインフルエンザの患者数は前の週とくらべて1199人多い2859人にのぼりました。

1医療機関あたりの患者数は警報レベルの30人の倍以上となる60.83人となっています。

県が先月29日に流行開始を宣言してからまもなく1か月。専門家は過去10年で最悪の感染状況だと話します。

富山県衛生研究所 大石和徳所長
「インバウンド旅行客の増加、それが一点あると思いますね。あとは今流行している香港型(A型)ウイルス、子どもの中で流行している。それで結果的に感染がすごく伸びているということになっています」

流行のピークはいつか、次のように語ります。

富山県衛生研究所 大石和徳所長
「年末年始までこの流行が続くのかどうか。おそらくそこはなくて、12月がピークになるんではないかなと」

インフルエンザの流行をめぐっては「A型」の変異ウイルス「サブクレードK」がイギリスや日本で確認されていて、感染拡大やワクチン接種への影響などが懸念されています。

大石さんは、インフルエンザの変異株自体は珍しいことではなく、冷静な対応を呼びかけています。

富山県衛生研究所 大石和徳所長
「ワクチンが効かなくなっててそういったウイルスが増えているということでは必ずしもない。そういう証拠はない。あんまりそれを気にする必要はなくてこれまで通りワクチンによる感染予防、重症化予防を考えてワクチン接種を検討していただくということは大事になってくる」