チューリップテレビが報じた「献金は自らの意思で行った」とする念書に信者がサインをさせられていた問題が急展開です。安倍元総理の銃撃事件後、旧統一教会が献金の返金請求阻止のため組織的に念書を作成している可能性があるとしてきょう国会で元信者のヒアリングが行われました。
元信者の女性:
「二人の信者から迫られて自分も念書にサインしてしまいました…」
5日国会内で証言した富山県の元信者の女性。先週、献金の返還請求をしない念書にサインをさせられた問題についてチューリップテレビが報じたことをきっかけに国会でヒアリングが行われました。
女性が旧統一教会の信者から購入させられた水晶玉。女性は8年前に入信これまで献金や物品購入におよそ2500万円を使ったといいます。
そして、まだ信者だった今年9月15日。女性が通っていた教会の区域長ら信者2人から「献金は自らの責任と判断」「献金について返金を請求しない」という念書にサインさせられました。
元信者(11月29日):
「私は強制されて献金したがではなくて、自分からすすんでしたような。これがネックになって、お金は一切、一円も戻らんがでないかなと思ったがですね」
その翌月の10月13日、念書にサインをしたことを悩んでいた女性のもとに教会の婦人部長ら2人が現れ、返金を求めた別の信者の例を話したといいます。
元信者(11月29日):
「(別の信者が)献金したものを返してくれと言われたがいと、そして返したらそこの息子さんが自死されたいうそういう話をしとられるがですよね」
11月18日、女性は教団からの脱会を決意、念書の撤回を求めました。11月29日、チューリップテレビが旧統一教会に質問状を送ると…。
「把握しておりません」
女性が通った教会の教会長は「広報局に任せている」と回答しましたが急きょ、女性に念書を郵送してきたのです。
元信者(12月2日):
「やっぱり使ったお金全部、戻ってくるがかなと…。全額戻してほしいいう気持ちですけど」
3日、報道を見た立憲民主党の山井和則衆議院議員が富山を訪れ女性と面会しました。
山井和則議員:
「チューリップテレビが…全国でやっているだろうと…。そうなると、組織的な証拠隠滅、犯罪もみ消し行為なんですよね…。全国のモデルとなるケースだと思うんですよ。ある意味、A子さんが救われたらみんな救われる」
山井議員の要請を受け、女性は5日国会での証言を決意しました。
元信者の女性:
「ようやくここまで来たかなと。皆さんが救われることを願います」
女性は旧統一教会の国対ヒアリングで、献金に関する念書について証言しました。
元信者の女性:
「献金や物品購入は自分の本心ではなく、進んでやったわけではありません。先祖の因縁などを説かれ、家族が不幸になると言われて恐くなり、まわりから指図されてやったことがたくさんありました。だからあの念書は絶対に間違いだということに気がつきました」
旧統一教会が念書を返却したのが確認されたのは全国初のケースだといいます。
立憲民主党 山井和則議員
「(先月)29日の岸田総理の念書が無効であり、違法の疑い、悪質であるという答弁を受けて返還された。これも念書が返却されたのも日本で初めてです」
岸田総理は先月29日の国会答弁で、旧統一教会の被害者救済法案について教団側の不当な勧誘で念書を作成させること自体が勧誘の違法性を基礎づける要素となり、損害賠償請求が認められやすくなる可能性があるとしていました。
中川亮弁護士:
「念書を書かせてると。しかもこういう時期に書かせてること自体がある意味、自分たち統一教会にやましいところがあると。もっと言えば違法性の帯びた献金を要求して支払わせたということをですね、推認できると私は思っておりますので(政府には)踏み込んでやっていただきたいと考えております」
立憲民主党は念書の宛て先が、旧統一教会の会長宛てであることから特に銃撃事件以降、全国で組織的な念書の作成が行われている可能性をあるとしていて、女性が献金を全額返還されれば全国の被害者救済のモデルケースになるとしています。
山井和則議員
「念書が書かされた本人が無効と言った時に全額返金がされるようになるのか。今回の政府案で。答えられる範囲でお答えください」
消費者庁の担当者は現行法でできる限りの救済策を講じた内容で法案を閣議決定したと述べるにとどめました。
立憲民主党はあす国会で女性がサインをした念書について岸田総理に質問する予定です。
元信者の女性:
「信者の生の声を聞いて正しい判断をしてもらいたいと思います」
※チューリップテレビでは元信者の女性に念書を返却したことや念書にサインを求めたケースがどれくらいあるかなどについて旧統一教会に問い合わせていますが5日午後5時時点で回答は得られていません。