江戸幕府2代将軍徳川秀忠が、高岡を開町した前田利長にあてた書状が新たにみつかりました。どの文献にも掲載されていない新発見の資料とみられます。

新たに発見されたのは江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の書状です。秀忠が、加賀前田家2代当主で高岡を開町した前田利長にあてたものです。

書状が書かれたのは1610年で、秀忠が大規模な狩りを催した際、贈り物をした利長への礼状です。

書状には「狩り場の見舞いとして夜の物(布団)5枚と毛せん30枚を贈っていただきました。遠い国からの誠意を大変深く感じました」としたためられています。

高岡市立博物館 仁ヶ竹亮介さん
「1600年の関ケ原が終わった後、しっかりと家康は圧倒的に有利ではあるんですけど、大坂に豊臣秀頼がいますのでまだまだ天下がどうなるかわからない情勢なんですね。そういう中において、日頃から将軍家、家康、秀忠の動きを情報を集めてキャッチして、例えばこういう大きなイベントの時とかはお届け物をして気持ちを表すわけですね、そういうことの積み重ねが忠誠心、『あなたのことを思っていますよ』というメッセージになると思います」

書状は、先月、匿名の団体から寄贈されたもので、高岡市立博物館によりますと、どの文献にも掲載されていない新発見の資料とみられるということです。

高岡市立博物館 仁ヶ竹亮介さん
「贈答品のお礼状なんですけど、そういう政治的な当時の情勢を知識として知っておくと、なかなか行間を奥深く解釈できて面白いなと思います」

書状は博物館のデータベースで公開されています。