ジェネリック医薬品大手で富山市に本社を置く日医工は14日の中間決算で、アメリカの子会社でおよそ474億円の減損損失を計上したことと、グループ全体で負債が資産を上回る債務超過に陥ったことを発表しました。債務超過額はおよそ356億円です。

日医工の2023年3月期の中間連結決算は、売上高にあたる売上収益が前の年の同じ時期に比べ6・2%増のおよそ912億円で、本業の儲けを示すコア営業利益がおよそ82億円のマイナスとなりました。純損益は中間期決算でおよそ548億円の赤字となりました。

また、アメリカの子会社セージェントグループで製品の生産再開や製造委託先から納品の遅れが生じたため、グループが所有する固定資産でおよそ474億円の減損損失を計上しました。

この影響で、日医工グループ全体がおよそ356億円の債務超過に陥っています。日医工が債務超過になるのは2010年12月に東京証券取引所に上場してから初めてで、解消に向けては債権者となっている取引先の金融機関に相当額の債権放棄を求める方針です。

日医工を巡っては去年3月、主力工場の富山第一工場で医薬品の不正製造が発覚。富山県から業務停止命令を受け、ことし3月期の連結決算では過去最大となる1049億円の赤字を計上しました。5月には私的整理のひとつ「事業再生ADR」を申請し、現在、債権者の金融機関すべての同意が得られるよう協議を続けています。

日医工は12月下旬以降、第3回債権者説明会を開く予定で、「事業再生ADRの成立が債務超過の解消につながるものと考えております」とコメントしています。