専門家としての失望と許せない思い
裁判では、被告人からの謝罪と謝罪金の申し出があったことも明らかになりましたが、「お金を受け取っても記憶が消えることはありません。お金の使い道がない」被害者はこれを拒否しました。
最後に被害者は強い口調でこう語りました。
「被告人を許していません。同じ消防士で今回の動機を知って、ガソリンの危険性や人の命を救うことの過酷さを知っているものとして、一人の消防士として恥ずかしく残念に思います。自分は一生忘れることはできないし、一生背負って生きていかなければなりません。家族や友人にも迷惑をかけたり、夜眠れなくなったり、死んでしまおうかと思いました。怖かった思いを忘れてほしくありません。裁判官や裁判員の人たちには厳しい判断をすることを願います。被告人にはしっかり更生してほしい」

事件から数か月が経過した今も、被害者の心の傷は癒えていません。元同期による信頼の裏切りは、職業意識の高い消防士にとって二重の衝撃だったようです。
林被告は起訴内容を一部否認していて、裁判は殺人及び放火の目的の有無が最大の争点です。判決は11日に言い渡されます。
