元消防士が、恋愛感情のもつれを背景に同僚男性の家にガソリンを流し込み殺害しようとした罪などに問われている裁判。4日の証人尋問で被害者の男性は「被告人を許していない。裁判官や裁判員の人たちには厳しい判断をしてほしい」と話しました。

殺人予備や放火予備などの罪に問われているのは、高岡市消防本部の元消防士、林陽太被告(27)です。

起訴状などによりますと、林被告は2022年8月、当時10代の男性の住宅に火をつけたほか、2024年5月には、立山町のアパートに放火し当時22歳の男性を殺害しようと、郵便受けからガソリンを流し込むなどしたとされています。

この日の証人尋問では、被告人と同期の消防士の男性が出廷。男性は深夜に自宅の郵便受けからガソリンを流し込まれたほかにも、身に覚えのない差し入れやタイヤの左後輪のナットが外れている被害にあっていたことも明らかにしました。

消防学校時代の同期が、真夜中に同僚の家の玄関から油を流し込むという衝撃的な事件。「お金を受け取っても記憶が消えることはない」と被害者が語る法廷内での緊迫した証言から浮かび上がったのは、信頼を裏切られた男性の苦悩でした。