福利厚生の充実も離職者…富山の中小企業が打ち出す異色の一手

富山市八尾町の中核工業団地にある三東テクノスチール。建造物の骨組みに使われる鉄骨の設計や製造を手がけ、10代の若手から70代のベテランまで70人の従業員が働いています。
今年は5人を新卒で採用しました、そのうちの1人、平野愛羅さん(18)。平野さんがこの会社を選んだ理由は――
平野愛羅さん
「髪色もOK、ネイルもOKっていうのでまず入ったが、会社見学に来て、既に会社見学の時点で楽しそうな雰囲気で『ここ来たい』となった」
2023年からは若手社員のアイデアで銭湯の回数券や映画の料金、スポーツジム使用料などを補助するといったユニークな福利厚生にも取り組んでいます。
三東テクノスチール 三明雅史社長
「ちょっとでも従業員の生活が苦しくならないようにという思いで始めた作戦」
しかし、こうした取り組みをしても去年新卒で入社した3人のうち1人が離職。
そんな中社長が今年から始めたのが「親から子どもへの手紙」です。

三東テクノスチール 三明雅史社長
「エールであったり、壁にぶち当たった時の対処法っていうのを、お母さんの言葉で手紙にしていただきたい」
平野さんの母
「もう人間関係が一番大事だと思うので。楽しく過ごせているようで私はすごく嬉しくて。手紙は書いたことないが、文章にして書いたら本人びっくりするだろうと思う。これから新たな会社入って皆さんの協力を得ながら成長していってほしい。こういうことする機会ってないですもんね」
三東テクノスチール 三明雅史社長
「そう言ってもらえると。また何かあったら力になってください」
そもそも、なぜ手紙を企画したのか。三明社長に聞きました。
三東テクノスチール 三明雅史社長
「育ててきた思いがあると思うので、今まで育ててきた思いというのを、会社全体で共有して私たちもお母さん同様にしっかり会社全体でサポートしていきたいっていう思いもあるので手紙にしていただきたいなと」
仕事の合間に手紙を書き始める平野さんのお母さん。
平野さんの母
「いい機会だなと思って。愛羅に伝える言葉も。こういう風に作ってくれたから、親らしいこと今までしとったんかなって思いながら、ちょっと自分の気持ちを本人に伝えられたらいいかなと思います」