ことしの参議院選挙の「一票の格差」が憲法違反かどうかが争われた裁判で、名古屋高裁金沢支部は10日「違憲状態」と判断しました。
この裁判は「1票の格差」が最大3・03倍だったことし7月の参院選が、憲法が求める投票価値の平等に反するとして、石川、富山、福井の有権者がそれぞれの選挙を無効にするよう求めたものです。
富山選挙区の1票の格差は、議員1人あたりの有権者数が全国でもっとも少ない福井選挙区と比較すると1.38倍でした。
10日の判決で吉田尚弘裁判長は、3年前の参院選から格差が拡大したにも関わらず、国会が格差是正に向けて十分な成果を挙げていないと指摘。
一方で、国会が是正に向けた取り組みを行ったとしても、選挙前までに格差を解消できなかったとして、憲法違反とまではいえないと判断しました。
高裁段階の判決は11月15日までに出そろい、そのあと最高裁が統一判断を示す見通しです。