富山県砺波市では特産の「庄川ゆず」が収穫の時期を迎えています。12日からは恒例の「庄川ゆずまつり」も始まる予定で、ユズの生産者は頭を抱えています。
皮が肉厚で香りが強い「庄川ゆず」。日本最北のゆず栽培最適地ともいわれる砺波市庄川町でおよそ50年前からつくられています。
生産者:
「ここもとってないんだけど、まばらでしょう。こんな感じで本来真っ黄色にならなきゃいけない木なのに」
橋本星奈アナウンサー:
「収穫前なのに、こんなまばらの状態。たしかに少ないですね」
眞田猛さんのゆず畑。今まさに収穫の時期を迎えていますが、ことしはゆずが不作。実の数が少ないといいます。
金谷柚子生産組合組合長 眞田猛さん:
「少ししかならないから実自体は大きいけど、傷が多いもんで」「少ないから実っても落ちたのも結構あるからなおさら少なくなった」
ゆずは1年ごとに豊作と不作を繰り返すと言われていてことしは不作の年…。
しかしそれだけではなく、ことし3月に気温が低い日が多かったことで、大量に葉が落ち、個数が大幅に減りました。
さらに9月の強風で枝に実がぶつかって傷がついてしまい、商品にならない実が増えてしまったといいます。ゆずの木特有のとげが原因です。
金屋柚子生産組合 組合長 眞田猛さん:
「これもでかい傷なんやけど、柔らかくはないから腐ってはない。でも色悪いからこれだけになったら自分のところで処理せんなん」
眞田さんのゆず畑だけでことしすでに1トンほどの実を収穫したといいますが、そのうち商品として販売できるのは300キロほどだといいます。
金屋柚子生産組合 組合長 眞田猛さん:
「半分以下。だからちょっとでも、何個ずつ残っていようが拾って出荷の準備しないととてもじゃないけど追いつかない」「(実が)少ないと、とるのは楽やけど、まつりが心配やわ」
12日から2日間行われる庄川ゆずまつり。去年・おととしは新型コロナの影響でドライブスルーのみの販売でしたが、ことしは3年ぶりに対面販売となります。
例年はまつりの期間中、5トンから6トンのゆずを販売していますが、ことし用意できるのは頑張ってかきあつめても1.5トンほどだといいます。
金屋柚子生産組合 組合長 眞田猛さん:
「どうなるか分かりません。謝ってばっかりおらんなん」
ゆずまつりでは傷のついたゆずもお風呂用として販売したり、ゆず味噌やマーマレードなどの加工品を増やしたりすることでなんとか庄川ゆずを楽しんでほしいとしています。
金屋柚子生産組合 組合長 眞田猛さん:
「ことしに関しては非常に厳しい状況で、まつりは行いますけど、十分に持って帰ってもらえないのではないかと思いますけど、うちの柚子組合をはじめ、他のテナントの方も少しでもゆずの香りを届けたいと思って、かきあつめてまつりを開催しますので、香りを楽しむ感じで、まつりに来てもらいたいと思います」