旧統一教会を巡る富山県の新田知事の発言について、霊感商法の問題に取り組む全国の弁護士連絡会が9日、新田知事に教団との関係断絶を明言するよう再び申し入れを行いました。申し入れに対し新田知事は「前にも同じことを聞かれています」と述べ、考えを変えない姿勢を示しました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会は9日、新田知事へ旧統一教会についての回答書に対する再度の申し入れを行いました。


富山県 新田知事:
「私の政治家としての事務所にも送られましたし、また県庁にも届いておりますので内容は見ました」

弁護士連絡会は2か月前、これまでの旧統一教会関係者との経緯や知事選後の関係について質問し、旧統一教会と関係を絶つよう求めていました。
全国霊感商法対策弁護士連絡会
川井康雄 弁護士:
「宗教だから関係を切ろという話は全くしていない。統一教会がこれまでやってきたあるいは現在もやっている違法な行為、その違法な行為をしている集団に対して関係を絶つべきだとお話をしている。政教分離の話は全く理由になっていない」

この要望書をうけて10月12日の記者会見で新田知事は…。
新田知事(10月12日 会見):
「私はとにかく特定宗教に対する援助、助長、促進、圧迫、干渉。この5つの行為は今の県知事という公権力を持つ立場で、とても大きな権力を持っています。それでかつ、こういう公的な記者会見の場で、県庁の中でそういった発言はできません」

このように述べて「特定の宗教団体に未来永劫付き合わないと宣言することは、政教分離原則の観点から問題がある」などとして回答していました。

そして9日弁護士連絡会は、知事の回答を受けて再び申し入れを行いました。
申し入れ書の中で、弁護士連絡会は旧統一教会の問題について『公職者が脱税や贈収賄事件で摘発された事業者と関係を持つべきでないことと同じ性格の問題であって、政教分離原則の問題ではない』と指摘。『知事自らも関わりを断つ旨言明されることは、その宗教団体の宗教活動や教義を問題とする行為とは全く別問題と考えるべき』として、関係を絶つと明言するよう改めて求めています。

弁護士連絡会の2度目の申し入れについて新田知事は…。
富山県 新田知事:
「これは再申し入れということなので、前にも同じことを聞かれています」

記者:
「政教分離原則の問題ではありませんという回答、再度申し入れとして記載されていて、今回もまた申し入れ書として届いているということだと思うのですが、そこに関してはいかがですか」
富山県 新田知事:
「前に一度お答えしていていることですから、私もそうなんといいますか、軽々に判断してお答えしているわけではありません。熟慮した上でお答えをしました」

記者:
「その考えは変わらないと」
富山県 新田知事:
「熟慮した上でお答えしたことでお答えしたことですから」

全国霊感商法対策弁護士連絡会は10日記者会見し、申し入れ書を送付した詳しい理由について説明する予定です。
