5か月間で3回もトラックが衝突した高架橋があります。高さ制限3.5メートルの標識があるのになぜ?ボロボロの標識が衝撃の激しさを物語っています。

記者(10月4日取材):
「きのう夕方、大型トラックがこちらの門型の標識にぶつかり大きく崩れてしまっています」

ぐにゃりと折れ曲がった黄色の鉄柱。高架下にトラックが突っ込み、衝撃で根元から寸断しています。ぶつかったのは、高さ制限を示す門型標識・・・。


視聴者提供


10月3日午後5時ごろ。富山県小矢部市、あいの風とやま鉄道の高架下の道路で大型トラックが衝突したのです。

視聴者提供


運転手にけがはありませんでしたが、安全確認のため上下線の電車2本が運休。道路は2週間、通行止めになりました。



近所の人:
「えーまたかいう感じ。3回目」



実はこの門型標識でことしに入ってすでに3回も事故が相次いでいるのです。1回目は5月11日午後3時半ごろ。トラックが衝突、門型標識が折れ曲がりました。衝撃ではずれたトラックの荷台の一部がひっかかっています。


1回目は5月11日 開いていた荷台のウイングが接触


それから3か月もたたないうちに2回目の事故が・・・。8月3日午後6時半ごろ、トラックの荷台に積んだクレーン車が仮設の門型標識に衝突。鉄柱が曲がり、標識が傾きました。

2回目は8月3日 荷台のクレーン車が標識に衝突



そして3回目(視聴者提供)は10月3日 荷台の重機が標識を直撃…



道路交通法では運行できるトラックの高さは原則3.8メートル以下と定められています。また、高さが3.8メートル以下の高架橋などには、事故防止のため周辺に門型標識を設置することが定められています。



立て続けに3度の事故があった現場には高架橋の手前に3.5メートルの高さを制限する門型標識が設置されていました。相次ぐ事故を受け道路を管理する県は…。

富山県高岡土木センター 嶋田正彦さん:
「ことしに入って3回続いているということは、道路の交通の変化もない中で困惑している状況です」



3回の事故はそれぞれ別の石川県の運送業者が起こしていました。先月事故を起こした運送業者が取材に応じました。






事故を起こした石川県の運送業者(電話):
「その時には通れると思ったと。高さが3.5メートルであっても通れるというような誤った認識。(運転していたのは)新人の運転手で荷物の高さをよく把握していなかった」



事故を起こしたのは経験が少ない新人で高さ制限があることを認識していたといいます。

事故を起こした石川県の運送業者(電話):
「(運転手に)やはり新人なもので、道路に疎いと。今回の事故というのは、砺波(富山県)から金沢(石川県)へ帰って来る道中に起きた事故なんです」



事故を起こした石川県の運送業者(電話):
「スマートフォンで高速道路を使わずに下道で砺波の現場から金沢の荷おろし場に向かう道中で最短で検索をしたと。1番早いルートはどこかということになってきた時には、その事故のあった小矢部市のあいの風とやま鉄道のガード下を通るルートになったと」





事故から1か月、改めて現場に行ってみると…。

記者:
「門型標識は現在、仮設の状態で設置されています。さらにこちら高架橋には事故でできた傷が今も残っています」