おととしの富山県知事選挙で旧統一教会の信者たちが教会から新田候補へ投票を呼びかける電話をしていたことが元信者への取材で新たにわかりました。選挙事務所以外でも行われていた教会側による電話による選挙応援について新田知事は「把握していない」と述べました。
元信者の女性:
「天運石いうてこっち女性用です。240万円。こっちが男性用の天運石240万円」
ツボ2つを購入した県内に住む70代の女性。2か月前に旧統一教会を脱会したばかりです。
女性は献金や物品の購入を求められ、8年間で1500万円以上を使ったと言います。その間、選挙応援も求められました。

元信者の女性:
「教会長さんがみんなに言って、もちろん強制。県知事の・・・」

女性が選挙応援に駆り出されたひとつが、おととしの県知事選でした。
教会から指示されたのが、いわゆる告示後の電話作戦。集められた場所は教会でした。
元信者の女性:
「2階に部屋があるんですよ。携帯とかも借りてきてこの携帯で電話してくださいと、50人、60人かな。電話をかける。2時間ほど。名簿がいっぱいあるから」

電話口でこう名乗るよう言われたと言います。
元信者の女性:
「新田八朗の選挙事務所ですけど、今度の県知事選挙には、ぜひとも新田八朗を当選させてくださいと。統一教会とか、家庭連合とかは言わなくて新田八朗の選挙事務所から電話しています」
記者:
「言うなといわれたんですか」
元信者の女性:
「そうですね。言ったらだめやって」
信者たちは3、4人が2時間交代で電話をかけ続けたと言います。
元信者の女性:
「新田さんはなんか教会にあんまり悪いことを言っていないものね。それこそ、信者の人がみんな、献金で辛い目にあっている人が多いがに全然そのことを考えてくださっとらんっていうのが、やっぱり気になりますね。関係を切るといってもらいたい」
女性の夫も頼まれて新田氏に投票したといいます。
元信者の女性の夫:
「私の意思で投票したものではありません。教団側の指示なんですよ。票を返してくださいよ」
新田知事はこうした元信者の声をどう受け止めるのか。31日の会見で聞きました。
毛田千代丸キャスター:
「旧統一教会の選挙応援について新田知事は選挙事務所から後援会入会者に電話をかけてもらっていたと説明されましたが、チューリップテレビの取材で信者たちが教会から『新田八朗の選挙事務所です』と電話をかけていたことがわかりました。把握されていたかを含め、どのように受け止めますか」
新田知事:
「私たちどもの選挙事務所においでになって、かけていたこともあります。それ以外のことは把握していないということですね」

毛田キャスター:
「教団側から強制的に働きかけられて教会で電話をかけていたとおっしゃっていました。改めて受け止めをお願いします」
新田知事:
「それも私が感知することではありませんね。強制的かどうか、その判断、受け止め、それは私がコメントすべきではないと思います」
また、教団側の指示で投じた新田知事への票を返してほしいと言っていることについては─。
新田知事:
「私は2年前の選挙で28万5118票の得票をいただきました。そのうち、自分でお会いした方、握手をさせていただいた方、私の演説を聴いていただいた方、公開討論会を見ていただいた方は、その28万5118の本当にごく一部だと思います。あとは口コミでお願いでしたり、演説のときにどうかみなさんの周りの方に新田八郎お願いしますというふうにいって浸透して、大変に大きな得票をいただいたのだと思います。いろんなつながりがあったということ。チューリップテレビがおっしゃる旧統一教会の方々からの口コミ、それも、その中の一部だったと思います」
毛田キャスター:
「自分の意思で新田知事に投票したものではないといっている。票を返していると訴えている。そのことについてどう思っていますか」
新田知事:
「強制して投票できるものでしょうか。私はそうは思いません」

毛田キャスター:
「(元信者の女性は)新田知事は、教会を悪く言っていないと、献金でつらい目にあっている人が多いのにそのことを考えていない。関係を絶つと言ってほしいと証言されています。どのように感じますか」
新田知事:
「私は県内の3900の宗教法人を管轄している立場です。ですから、旧統一教会、宗教法人の世俗的な部分での違法行為についてはコンプライアンス上の問題ありと認めまして、おつきあいすることは今後ないと申し上げていますが、未来永劫といったところは、強い言葉では宗教分離における宗教の圧迫、弾圧にあたると考えています」