全国で雪崩などによる遭難が相次いでいます。雪山は常に危険と隣り合わせ。熟練の登山者でも命を失いかねないその怖さともしもの時の備えを取材しました。

これは剣岳の早月尾根でバランスを崩して800メートル滑落した登山者が救助される様子です。

救助された男性は登山歴10年、冬山登山の経験は8年の熟練者でした。そんな豊富な経験を積んだ登山者にとっても難易度が高いのが「冬山登山」。とりわけ恐ろしいのは冬山特有の自然現象です。

富山県警山岳警備隊 飛弾晶夫 隊長
「冬なので雪に関する遭難事案というと、一番重大事故につながるのは雪崩に遭うということが多い」

この登山者も、滑落したあとに発生した雪崩に巻き込まれ、雪に埋まり身動きがとれなくなっていました。県警山岳警備隊の飛弾隊長は、1週間から10日前から山の天候や積雪状況などに注意することが大切だと話します。

真冬でも晴れて気温が上がると、雪が解けて雪崩が起きやすくなります。特に古い積雪の上に降り積もった新雪部分が滑り落ちる「表層雪崩」に注意が必要です。

そして、登山以外でも雪崩の危険にさらされる可能性が…。