富山県の高岡市民に親しまれている高岡古城公園。春になると園内はサクラが満開となり、多くの人の心を癒していますが、近年、老木化などが深刻になっています。ふるさとの宝を守る取り組みです。

高岡市の中心部にありながら面積は、東京ドームおよそ4.5倍。高岡市民が愛してやまない憩いの場・高岡古城公園です。

春になると、そこは、淡いピンク色の世界。園内には、ソメイヨシノをはじめ、コシノヒガンなどおよそ1800本ものサクラが咲き誇ります。

訪れた人:
「満開やの」

日本さくら名所、100選にも選ばれていて、毎年、息をのむ風景が広がります。

女性:
「きれいやね」
子ども:
「きれい」

男性:
「桜の木が太いし、歴史すごい感じるじゃないですか。いいでしょ」

これまで多くの人の心を癒やしてきた高岡古城公園のサクラ。いま、危機に瀕しているというのです。

「こういうふうに相当傷んできている。もう10年は持たない」「この辺がもう虫がはいってしまっているでしょ。穴開いているでしょ」
こう話すこちらの男性。

園内のサクラを守る活動を行う団体、高岡古城公園百年会議の吉岡隆一郎理事長です。

吉岡さんによりますと、園内にあるおよそ1800本のサクラのうち、1000本ほどが、豪雪で枝が折れたり老木化が進んだりして、このままでは、近い未来、満開のサクラを楽しめなくなってしまうといいます。

NPO法人高岡古城公園百年会議 吉岡隆一郎理事長:
「ほとんどの人が咲いているサクラしか見ないから、その陰に傷んでいるのがあるんですよ」

園内の現状に関心を持ってもらいこの危機的状況を打破しようと、吉岡さんたち高岡古城公園百年会議では、昨年度、高岡市が導入したふるさと納税型クラウドファンディングの制度を利用。目標額75万円を大きく上回る300万近くの寄付が集まりました。

植え替えが必要となっていた中の島エリアには、ことし早速、サクラの木19本が植えられました。

NPO法人高岡古城公園百年会議 吉岡隆一郎理事長:
「結婚記念とか、子どもが生まれたときとか、ずっとそこに何十年もあるわけですから、これはおじいちゃんが植えた木だって言えれば面白いじゃないですか」

寄付のリターンとして、10万円を寄付した人には、植え替えた新しいサクラの木にネームプレート設置の特典がつくものも。

園内のサクラの木を見て回る吉岡さん。ことしもふるさと納税型クラウドファンディングの制度を利用して、サクラの木の植え替えを考えています。

NPO法人高岡古城公園百年会議 吉岡隆一郎理事長:
「早く植え替えてやらなくちゃ。長い間ご苦労様でしたという感じだね」

先人からも親しまれ、受け継がれ続けてきた高岡古城公園のサクラの木。吉岡さんは、この取り組みが、100年先の未来まで、公園を維持していく第一歩になればと願います。

NPO法人高岡古城公園百年会議 吉岡隆一郎理事長:
「ちょっと、私の代では1000本は植えれないので、でも古城公園百年会議ですから百年後を見据えたようなものを考えて、そして行動もちょっとずつしか進まなくても、やっていくしかないと思います」