息子が海外で成長する姿を見守りたかった…
この日の講演会で上田さんは、日本は少子化が急速に進み、海外での事業拡大は企業の成長には欠かせない時代になっているとしたうえで、企業や社会が海外での働き方を考えるべきだと訴えました。

上田直美さん:「労働時間の管理や海外ならではの言語や生活習慣の違い、地球全体の異常気象も続き、屋外での作業時間は今のままでよいのか、メンタル面でも孤立しやすい状況を組織としてどうフォローしていくのか社会全体としても海外勤務での過労死や精神疾患を考えてほしいと思います」
そして、講演の最後はこう締めくくりました。
上田直美さん:「毎年ゴールデンウィーク近くになると息子が帰ってくるのではないか、家族そろって夕飯を食べながら楽しい話をたくさんしたかった息子が海外で成長する姿を見守りたかった。生きていれば31歳です。その大事な未来が奪われたことは悲しさ以上にくやしいとしかいえません。従業員は一人一人大事な家族がいることを忘れないでほしいです。そして、元気だった息子を返してください。ただそれだけです…」

上田さんは、息子の同僚や後輩たちが海外で同じ目に合わないよう、会社に改善を求めていくことで何かが変わり、長く息子の分まで活躍してくれることを祈っています。