■変形した足の爪が認知症につながる どうして?
貝殻のように黒く厚みを増した爪や普通の爪切りでは切れなくなった爪。


いずれも高齢者の足の爪ですが、歳をとるとどうして爪が変形するのでしょうか?
爪と皮膚の診療所 形成外科・皮膚科 山口健一医師:「高齢になると視力が低下したり腰が曲がったり、身体の柔軟さがなくなることから爪を切ることが困難になることもよくあります。爪に悩みがあっても爪だけで病院に行くことが恥ずかしいと思う人も多いですし、爪は身体の中でも特に後回しにされてしまいがちで、気がついたときに自分ではケアできない状態にまで悪化していることがあります」
山口医師はこうした爪を放っておくとケガだけでなく、認知症の一因になると警鐘を鳴らしています。

爪と皮膚の診療所 形成外科・皮膚科 山口健一医師:「爪・足が痛いから遠出ができないとなると、やはり身体機能がすごく落ちてきます。筋肉も落ちて、関節も固まってきて、だんだんと寝たきりというと大げさかもしれないですけれど、そちらに近づいてきてしまう。外に出て、歩いて、活動するということが脳への刺激になりますが、ずっと家の中にいて同じことを毎日繰り返していると、色々なことに興味が持てなくなって、認知症につながってくるのではないのかと思います」
山口医師によりますと爪の変形を防ぐには圧力がかからないよう足にあった靴を履くことや爪の間を清潔に保つことが重要だということです。
爪と皮膚の診療所 形成外科・皮膚科 山口健一医師:「清潔に保つことが第一。爪が変形して少し剥離してきてしまうと洗いにくいことがありますので、放置しておくとそこにバイ菌が増えてきて、水虫菌に侵されやすかったり、緑膿菌といってグリーンネイルという状態になってしまったりします。足専用のブラシや、やわらかいブタ毛のようなブラシなどで爪の間を洗うと効果的です。あとはオイルは使っていくと非常に爪がきれいになっていきます。できれば寝る前と靴下をはく時に塗るのがおすすめです。オイルの種類はなんでもいいですが、クリームは浸透しにくかったり、汚れになってしまう可能性があるのでひび割れがひどい方などは控えたほうがいいと思います」
高齢になるにつれ、ケアするのが難しくなってくる足の爪。
爪が痛くなってきたら要注意。
そこから認知症につながるかもしれません…。