コロナ禍を経てさらに症状が悪化

今月5日、自宅に彰さんの姿はありませんでした。新型コロナに感染したあと、彰さんは歩けなくなりました。

沙代子さんの介護の負担が大きくなり、週3日、施設に預けざるを得なくなったのです。

沙代子さん:「このままの体でどれだけがんばれるかなっていうのはあるから。いなくなったらものすごい寂しいという気持ちがあるのは分かってはいるんですね。本当に複雑。みなさんそうじゃないかと思うんですけど」

この日、彰さんが施設から3日ぶりに帰ってくると、沙代子さんがうれしそうに出迎えます。

施設の職員:「はーい」
沙代子さん:「おかえり。おかえり」
車いすがスムーズに出入りできるように、玄関にスロープを設置しました。

半年前まで沙代子さん1人でできたベッドへの移動も、いまはもう、一人ではできません。施設の職員に助けられようやくベッドに移します。

沙代子さん:「はぁーありがとうございました」「おかえりー。よかった。よかったね。うれしいい顔して帰ってきた。いろんなところ行くからね。嬉しい顔。いい顔。安心した」

今は一日の大半をベッドの上で過ごしています。食事も2人でベッドで…

沙代子さん:「お手伝いですか。はい。うふふふ納豆は箸で食べずらいよね」
月に2回の楽しみだったウクレレ仲間との集まりにも行けなくなりました。