どうして夫が…好きなウクレレも弾けなく


理学療法士だった彰さんは26歳の時に沙代子さんと結婚し、3人の子どもにも恵まれました。温厚な性格で人望が厚く、仕事も熱心で、富山県理学療法士協会の会長も務めました。

定年後も仕事を続けていましたが、2019年63歳の時、言葉が出てこなくなり病院に行くと、「若年性のアルツハイマー型認知症」と診断されました。

どうして、夫が…。定年後、大好きな音楽や旅行を楽しもうと思っていた矢先に思ってもいなかった病名の告知に涙を流しました。

診断から1年後の2020年の彰さん。このころはまだ会話も通常通りにできました。
沙代子さん:「しいたけどうです?」
彰さん:「しいたけ美味しいですよ」
沙代子さん:「美味しいたけ?」
彰さん「おいしいたけ」

少しでも病気の進行を遅らせようと、沙代子さんと彰さんは、次々と新しいことにチャレンジ。一緒に「ウクレレ」も始めました。
音楽が好きだった彰さんは、めきめきと上達。若年性認知症の夫婦が集まる会「フレンズ」に来ている人たちにも、教えるほどの腕前で、みんなに尊敬されていたといいます。
ところが、2023年9月。日に日に症状が悪化し、彰さんは大好きなウクレレも弾くことができなくなりました。
それでも、ここに来ると彰さんは自然と笑顔になります。この日、参加した夫婦は彰さんに感謝の言葉をかけました。

フレンズの参加者:「これ彰さんに教えてもらったんだからね。教えてあげたがやから。また教えてね。忘れたからまた教えてね」
