福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える「老舗物語」。今回は二本松市で長く愛されている工務店です。こだわり抜いたからこそ出来た、5代目の新たな挑戦を追いました。
「針道のあばれ山車」で知られる二本松市東和地区の針道。ここで昔から地域に頼りにされてきたのが「齋藤工匠店」です。
大きな看板を掲げる作業場では、5代目の斉藤守平さんが作業をしています。かんなを削る真剣なまなざし、かっこいいですね。
--斉藤守平さん(齋藤工匠店 5代目)「かんなにも種類がある。荒仕子と中仕子、仕上げ。今は2種類しかないが、このかんなはおじいちゃんのだった。かなり刃が減っているので仕上げには向かないけど、粗削りしたいなというときに使っていますね。」
かんなだけでなく、ノミも3代目の守さんから受け継いだもの。「守」の「マ」の字がしっかり刻まれており、その反対側には守平さんの名前が刻まれています。
そんな工具を大切に扱う守平さんが率いる齋藤工匠店。創業は明治10年。当初は神社仏閣や住宅建築を中心とし、家業を営んできました。
--斉藤さん「大工技術を生かすために、手で刻むという家の造り方をしていたんですね。ウッドショックになってから続けていくことができないんじゃないかというところまできて。そこで自分の自宅をリノベーションするタイミングで転機があって。構造的な部分をどう収めていくかなど、できるようになったのは手刻みの技術があったから。」
2021年3月、世界を混乱させた新型コロナの影響で、戦後初めてとなる「ウッドショック」に。安価で輸入していた外国産木材の高騰に伴い、国産の木材も高騰。建築業界も大きな影響を受けました。
そんな中、守平さんが注目したのが「リノベーション」でした。
守平さんが最初に手掛けたのは自身の実家。もともとは畳が敷かれた和室として使われていましたが・・・まるでカフェのようなおしゃれな空間に劇的変化!同じ部屋とは思えないほどです。こだわりは梁。以前の面影を残しています。

窓も窓枠が見えないようにしたことで、おしゃれかつ、耐久性・断熱性がより高くなったんだそうです。残せるものは残しつつ、新たな空間を創り出していく。長年の住宅建築の経験があるからこその作品ですね。
そんな実家のリフォームは「RENOVATION OF THE YEAR 2023」を受賞。そこから多くのリノベーションを手掛けるようになったそうです。
そして現在、守平さんがリノベーションしているという現場にお邪魔させてもらいました。なんだかレトロな雰囲気の建物ですね。
--斉藤さん「もともと飲食店。(二本松の針道地区の)みんなにとって特別な場所だったと思うんです。たまたまうちの弟が譲ってもらって、お店をやることになったので。もともと親父が建てた場所だったので、元オーナーが良かったらと声をかけてもらったと思うんですけど。」

実はこちらの「ニューペガ」という建物。守平さんの父である、4代目の守司さんが建てたもの。町民が集まる場所として長年親しまれてきたこちらは、去年8月に惜しまれつつ閉店。そんな場所を取り壊してしまうのは寂しいということで、父の思いを受け継ぎ、守平さんがリノベーションを担当。
--斉藤さん「このカウンターはうちの在庫で残ってたもの。思い切って贅沢にはり合わせて使っている。これが一番メインのこだわり。」
そしてニューぺガの店主の思いを受け継ぎ、もともと料理人をしていた守平さんの弟である篤さんが新たにお店をオープンさせるんです!
--篤さん(弟)「偶然が重なって、父が建てて近所のマスターが営業していたところを、兄がリノベして。そこでお店を出せるのはうれしいと思います。」
親子の思いが隅々まで詰まったお店。より一層地域に長く愛される場所になることでしょう。
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2026年16日放送回より)













