福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える『老舗物語』。今回は郡山市に70年以上店を構える老舗の楽器店です。お店では今1番売りにしている楽器があります。そこには2代目のある思いが込められていました。
郡山市のさくら通り入り口近くに地元から長年愛される老舗楽器店が。創業73年の『十字屋楽器』です。店内には様々な種類の弦楽器や管楽器などが所狭しと並びます。
中には世界に21本しかない希少なギターも!
--杉山隆彦さん(十字屋楽器 2代目店主)「マーティンという世界で有名なギターメーカーが150周年に作ったギターで、世界で21本で、うちで11本売りました。」
そんな輝かしい販売記録を誇る楽器店の店主を務めるのが、2代目の杉山さん。実はこちらでは、楽器の販売だけでなく・・・
--杉山さん「楽器の修理を専門にやっていまして、資格を持っているリペアマンがいる店は数少ないと思いますね。」
そう、こちらでは個人店としては珍しく管楽器・弦楽器・打楽器などの修理も行っているのです。
--杉山さん「昔は修理や調整はすべてメーカーに送っていました。練習したくても練習できないお客がいっぱいいたので、楽器のお医者さんをやったらみんなに喜ばれると思ったのがそもそもの始まりです。ただメーカーから送ってきたものを展示販売するだけでなく、弾きやすいようにしてあげたり、調整してあげられるのがウチの良さです。」
ただ単に楽器を売るのではなく楽器選びのアドバイス、そして調整を行い最終的にお客さんが楽器を楽しんでもらう事が杉山さんの目指すところなのです。
--杉山さん「自分の楽器が正しいかどうかわからないで使っているのが一番つらいですよね。それで楽器が合わない、辞めたと言われるのが一番つらくて。その方も使いやすいように直せばその楽器を楽しめた人生を味わえたのになと思うと、ちょっと寂しさを感じますよね。」
調整やメンテンナンスの不備を理由に楽器の楽しさに気が付けないことを一番懸念しているんです。
そんな杉山さんの音楽愛は、先代の父親ゆずりなんです。
--杉山さん「父親はピアノの調律師だった。やっぱり格好よかったですよね。調律免許とった時には喜んでくれた。」
そんな親子の絆が感じられる十字屋楽器には、先代の頃から通い続ける常連客も多くいます。
--常連客「私は50年以上お付き合いさせてもらっている。親近感があるっていうかね。」
--杉山さん「長い付き合いですね。」
--常連客「歳とったね。」
--杉山さん「でも音楽は歳関係ないらね。」
創業当時からお客さんとのコミュニケーションを大切にする十字屋楽器。その取り組みの一つとして20年以上前から杉山さんはこんなものを作っています。
--杉山さん「これはニュースレターと言いまして、月に一回、お客様と十字屋の架け橋として作っている新聞です。ここで渡すのと、送って欲しいという人もいて、遠い人だと静岡!」
その内容は地元の歴史や楽器の説明など多種多様。お客さんからの楽器の修理についての相談なども丁寧に答えているんです。
お客さん思いの接客は創業から変わりませんが時代と共に変化するものも・・・。
--杉山さん「時代時代で店は変わってくると思うんですね。この場所もピアノが売れている時代はピアノばっかりだったんです。今は一階フロア全部ウクレレにしました。」
現在、十字屋楽器の主力商品は『ウクレレ』。その品揃えは東北屈指で50本以上のウクレレを取り揃えています。という事は今ウクレレがブームなのでしょうか?
--杉山さん「15年前の東日本大震災の時に、音楽の力で復興できないかと考えて、年齢も性別も関係なく楽しめる楽器としてウクレレにたどり着きました。災害があって悲しみや苦しみがあっても、ウクレレを弾いてる時だけでもいいから楽しい演奏ができればいいなと思っています。」
より多くの人に楽器の楽しさ、そして喜びをそのサポートをするのが杉山さんの仕事なのです。
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2026年2月26日放送回より)













