「あの時、1分でも長くしゃべっていれば…」母親の悲痛
検察側は、池田被告が運転する車が映った防犯カメラや、ドライブレコーダーの映像や画像などを証拠として提出した。受験生の女性は、大学受験のため、郡山駅前のホテルに宿泊し、早朝、郡山駅のファストフード店で朝食を取り、ホテルに戻る途中だった。また、池田被告は衝突の際、自転車の女性も転倒させ、けがをさせている。
検察側は証拠調べの中で、亡くなった受験生の女性の家族の調書も読み上げた。女性の弟は「姉をひいて殺しておいて、減刑を求めるのは信じられない。犯人を許すことはできません」と話したという。
そして、女性の母親は悲痛な思いを調書に残している。
「娘を返して欲しい。歯科医師になりたいとあれほど受験勉強を頑張っていた。やりたいことがたくさんあったと思う。事故後、受験していた2つの大学から特待生の合格通知が来た。事故当日の朝、電話があった。あの時、1分でも長くしゃべっていれば事故に遭わなかったかもしれない。それが一瞬にして奪われ、無念だったと思う。私は殺されたと思っている。謝罪を受け入れることはない。一瞬にして人生を奪われてしまい、私たち家族の人生も変わった。一生、刑務所で償ってほしい」