三國さんが指導しているのが会津北嶺のエース・宮城智大(ちひろ)投手です。
三國翼さん「(今投げた変化球は)ストレートと同じくらいのスピードなのに、ホップ成分(球の上昇成分)が落ちるからバッターは見極めづらい。来年の夏いいのではないか。」

この日のテーマは「リリースポイントの安定」です。ラプソードではリリースポイントの細かい角度が示されるため、1球ごとの違いを知ることができます。宮城投手と三國さんは1球1球データを確認しながらフォームを修正していきます。宮城投手の最速は128キロ。これからのオフシーズンで球速向上など投球全体のレベルアップを目指しています。

左が以前の投球フォーム。上体が上向きリリースポイントにうまく力が伝わっていません。
一方、右はラプソードをもとに三國さんが指導した後の投球。上体をホーム方向に傾け、力を進行方向にうまく伝えています。
ラプソードの中でリリースの角度が上向いていたことが、改善するための「気づき」を与えた要因の一つといえます。
こうした日々の指導に、宮城投手自身も手ごたえを感じています。
宮城智大投手「(投げるときに)ボールに圧をかけた感覚が目の前で数字が表れる。(ラプソードは)モチベーションになるし練習もはかどる」

球速は今年の夏以降、平均で3キロほど上がりました。さらに正しいフォームを身につけたことで、別の効果も生まれています。
宮城智大投手「疲れがもともと肩回りにあったが、(試合で)9回フルに投げた時でも、次の日楽になった」

正しいフォームを習得することが、実はけがの予防にもつながる。データに基づいた指導にこだわる背景には、三國さん自身のつらい経験がありました。