なぜ今…?事業者が記者会見、市に問い合わせ相次ぐ

事業者の会見(7月2日)「福島第一原発事故のあと、福島県が積極的に再エネの方向に転換すると発言し、弊社の方針にのっとったものだったので、我が社もその一助となりたいと福島のプロジェクトを決めた」

7月2日、東京で記者会見を開いたのは、ポルトガルに本社を置く、再生可能エネルギー事業を手がける「EDPRジャパン」です。事業者によりますと、福島市松川町のゴルフ場跡地に大規模な太陽光発電所=メガソーラーの建設工事を進めていて、来年9月の稼働開始を目指すとしています。

「EDPRジャパン」の会見

一方、福島市では吾妻連峰にある先達山で進められているメガソーラーの建設をめぐり、景観の悪化や、土砂災害への懸念の声が高まっていて、去年、「これ以上メガソーラーの建設を望まない」とする宣言を行っています。

福島市環境課・黒須康光課長「実はこの計画(松川町のメガソーラー)は令和2年度からすでに進んでいる事業で、ゴルフ場の跡地を活用してメガソーラーをするということで、すでに承知している事業でございます」

福島市によりますと、今回のメガソーラー建設は2020年からすでに計画されいて、これまで造成工事が進められてきました。しかし、今回、事業者が記者会見を開くということは市側に一切伝えられておらず、「なぜこのタイミングなのか…」と担当者も困惑しています。

事業者の会見後、市役所にはこのメガソーラー開発に関する問い合わせが相次いでいて、一部の業務にも支障が出ているといいます。

福島市環境課・黒須康光課長「ノーモアメガソーラー宣言の指針にのっとって災害、景観の部分については十分配慮して進めていただきたいと思っている」

事業者は、「必要な許認可は全て得ていて、環境影響評価にのっとった形で開発を行う」としています。