東日本大震災の津波で多くの犠牲が出た宮城県石巻市の大川小学校を卒業した男性が、福岡県の中学校を訪れ震災の経験を生徒に語りました。男性は、遠く離れた場所での伝承活動を通じて、故郷のコミュニティを取り戻したいという思いを強くしたといいます。

かつて『奇跡の少年』と呼ばれた只野さん「私が奇跡なんじゃない」

只野哲也さん:
「私が生き残ったということは奇跡でもなんでもないんですね。私が生き残った事よりも津波から大川小学校が残った事が一番奇跡なんじゃないかなと私は思っています。大川小学校が残ったからこそ、今があるんです」

石巻市出身の只野哲也さん(23)です。この日、只野さんと只野さんが代表を務める団体のメンバーが、福岡県久留米市にある江南中学校を訪れ、生徒に震災の経験や自らの思いを伝えました。

只野哲也さん:
「家も流されるし人も流されるし、いろんなものを巻き込んで真っ黒い塊になってくるのが津波になります。流されるとか水が体にかぶる感覚ではなくて、思い切り山の斜面にダンと体をぶつけられるような圧力が体にかかって、息ができなくなって気を失ってしまいました」

震災当時、11歳だった只野さんを悲劇が襲います。