デレーニさんと「のりやさん」
デレーニさんが1990年代に撮影した写真です。そこに映るのはノリ養殖を営む夫婦の姿。デレーニさんは愛着をもって「のりやさん」と呼びます。


デレーニさん:
「作業場に煙突があるので自分でまわって煙突を見て、もしかしてのりやさんの家じゃないかと。それで突然『すみません、ごめんください、お邪魔しております』と声をかけて新しく知り合いになった」

当時のノリ養殖は摘み取りから加工まで家族単位で行っていました。
デレーニさん:
「のりやさんと話すと、ある家族はご夫婦でやるとうれしいです。家族でやると同じ経験ができて、つらいことがあっても楽しいこともある。全部一緒の経験をすることで仲良くなるのではないか」

デレーニさんがよく情報交換するという学芸員の田村正樹さんは、その研究姿勢にいつも刺激を受けるといいます。
七ヶ浜町歴史資料館 田村正樹学芸員:
「すごくアクティブ。地域の現場に行ってその人の話をきちんと聞いてまとめて研究している人で、私も刺激を受ける」

そんな古き良き漁村文化は、2011年3月11日を境に一変します。







