復興の進め方に提案も受け入れられず
震災後は、父親が営む電気店を手伝いなら、復興まちづくりに積極的に参加しました。

阿部晃成さん:
「怖い思いをしたがだからこそ、故郷の復興のために尽くしていきたい」
そんな阿部さんが当時疑問を抱いたのが、宮城県と石巻市が計画した山を切り崩しての「高台移転」と「巨大防潮堤」による復興でした。
阿部晃成さん:
「メリットデメリットを把握しきれていない住民が多い」

阿部さんは、女川町のようにかさ上げして土地を造成した方が工事も早く終わり町ににぎわいが生まれると繰り返し提案しました。しかし、提案は受け入れられず、それどころか次第に会合の案内さえ届かなくなったと言います。
阿部晃成さん:
「『そういうことをするから復興が遅れる』とレッテル貼りをされた。一晩漂流したより、その後の方が残酷だし、しんどい場面が多かった」
その悔しさをばねに、震災と関わりながら研究者への道を歩みます。