12年前の東日本大震災で、津波に流されながらも奇跡的に生き延びた男性。自らの経験を生かしながら研究者として故郷の復興に携わろうとしています。
内陸側「浸水範囲外」に一家7人で避難
様変わりした故郷、宮城県石巻市雄勝町を歩く阿部晃成さん(34)。2011年3月11日午後2時46分、海のそばに建っていた自宅で地震にあいました。

阿部晃成さん:
「『ちゃんと避難しないと、え、津波、どこに避難するんだっけ』という混乱がありつつ、あそこだと父親が的確に指示を出してくれて避難行動に移った」
避難で目指したのは、海から500メートル内陸にある父親の友人宅。両親と祖母、きょうだいの一家7人で車で向かいました。震災前の想定では、津波の浸水範囲外。安心していたといいます。

阿部晃成さん:
「何となく海を見ながら本当に津波は来るのか、という話をしていたのを覚えている」
しかし、地震の40分後、津波が襲ってきました。