国税庁は19日、仙台国税局の馬場健前局長に対し、パワーハラスメント行為があったとして「減給10分の2、3か月」の懲戒処分を下したと発表しました。

国税庁によりますと、馬場前局長については、仙台国税局長として在職していた今年7月、職務上の不適切な言動に関する複数の申告があり、調査の結果、5人以上の部下に対して、パワハラ行為が認められたということです。具体的には、長時間に渡る叱責や「俺が話している時は話すな、動くな」「何で意図をくんで仕事ができないんだ」などの言動、右手の指2,3本で机の端をたたく威圧的な態度もあったということです。馬場前局長はパワハラ行為を認めたうえで、「深く反省している。(職務に対し)前のめりすぎた」などと話しているということです。国税庁は会見で、着任8日後の7月9日には国税庁のホームページを通じてパワハラ行為に関する匿名の通報があったと説明しています。

着任会見時の馬場前局長

国税庁の局長によるパワハラ行為で処分が下されるのは初めてのケースです。国税庁は「各種ハラスメント防止の徹底を図るとともに再発防止と綱紀の厳正な保持の徹底を図っていく所存です」とコメントしています。後任の仙台国税局長には、10月1日付で国税不服審判所次長の谷口眞司氏が着任します。馬場前局長は、7月1日付で仙台国税局の局長に着任しましたが、その後、7月28日には、国税庁長官官房付に異動となりました。着任から1か月も経たない異例の異動でしたが、当時国税庁は「人事の詳細について回答は差し控える」とコメントしていました。馬場前局長は、1990年に大蔵省に入省し高山税務署長や内閣官房内閣参事官を歴任しました。