宮城含む東北太平洋側は乱気流起こりやすい

山岳波による乱気流は飛行機にも影響することがあります。高度6000メートル以下での乱気流の遭遇率をパイロットからの報告を元に集計した図では、東北南部のあたりが全国で最も数字が高くなっていて、奥羽山脈周辺の山岳波が原因とみられます。

2004年には、岩手県上空で旅客機が山岳波による乱気流を受け、客室乗務員1人が大けがをした事故もありました。

仙台空港利用客:
「揺れると一気にギュッと下がったりする時があって、心臓がきゅっとなるというか。(仙台)空港に近づいて、Uターンして海から着陸する時に若干揺れる気がします」

民間航空会社のパイロットを養成する、航空大学校の仙台分校です。元海上自衛隊員で、16年間パイロットを務めていた古瀬伸彦教官は、乱気流で機体が煽られた経験があるといいます。

航空大学校仙台分校 古瀬伸彦 実科教官:
「自分の意志とは関係なく飛行機がもてあそばれるような感じで、一生懸命操縦桿を持って(機体を)引っ張り上げるとか、そういうような経験をしたことがありますね」

学生:
「引き続き日本付近は高気圧に覆われて…」

学生は、訓練前には専門的な天気図を用いて乱気流が発生しそうな場所を確認し、そこを避けるような飛行ルートを計画します。

この日は東北地方の太平洋側に「山岳波に注意」という情報が出ていましたが、細かい予測は難しいのが現状です。

航空大学校仙台分校 古瀬伸彦 実科教官:
「昔に比べると気象資料はそろってきていますけど、それらを見て飛んでも予測できない乱気流というのはやはりあります」

「それはやっぱり自然の脅威というか、自然の中で飛行機を飛ばしている以上、人の知りえない、予測できないことは常にあると思っています」