今年度は造園師や畳工など10人が選ばれました。長年にわたり一つの職業に従事し卓越した技能で業界の振興に貢献した人が18日、「宮城の名工」として表彰されました。
県庁で行われた表彰式では、今年度の県卓越技能者、「宮城の名工」に選ばれた造園師や畳工、日本料理の調理人ら10人に表彰状が贈られました。

「宮城の名工」は、長年一つの職業に従事し後進の育成に貢献した人を表彰するもので今年度で45回目です。
日本料理調理人 大沼幸夫さん:
「(料理の道に入って)35年ぐらいになる。安心安全でお客様においしいねと言ってもらえる、心のこもった仕事をすることを意識してきた」
造園師 阿部浩章さん:
「今までやってきたことが評価されてうれしいが、逆にプレッシャーというか次の世代に受け継いでもらい次の世代も認めてもらうのが大事だと思う」

また、積極的に技能の研鑽に励む40歳未満の「県青年技能者」として11人が表彰されました。
「宮城の名工」として表彰された造園師の阿部浩章さん63歳。仙台市にある造園業者の2代目で専門学校を卒業後20歳から、この道一筋です。

造園師 阿部浩章さん:
「いろいろ手掛けた大きな庭もあれば、個人の民間のもあったが、どの庭にも思い出があったし、自分のイメージを出しながら、お客さんに喜んで納得してもらうことを心がけてきた」

この日は11月下旬に愛知県で開かれる「技能五輪」に出場する若手職人2人に庭造りの指導をしました。
技能五輪に出場する若手職人:
「優しい人で、教え方も上手。僕が全然見ていない所とか基本的な場所の指摘とか、独特の発想で」
阿部さんは去年開かれた全国都市緑化仙台フェアで、市の指定有形文化財となっている伊達政宗ゆかりの茶室「残月亭」が移築された際、茶庭の設計・施工を担当しました。

造園師 阿部浩章さん:
「青葉山にある現存する樹を活かしながら、それを繋げて。庭石に関してはもともと仙台城にあったものや、東京の下屋敷・上屋敷の現存する石材を利用した」
このほか仙台市の定義如来西方寺五重塔の庭造りなど、大小様々な庭造りを手がけてきました。後進の指導、育成にあたる機会が増えたいまでも造園師として高みを目指し続けています。
造園師 阿部浩章さん:
「職人としての仕事は終わりがないので生涯、鍛錬で修行だ思っている。今までの自分が体感したものを少しでも後輩にも伝えていければと思う」

阿部さんはこれからも時代に合った庭造りができるよう努力を続けていきたいと話していました。